「桐島、部活やめるってよ」

LOVE8002012-09-02


高校の頃特有のどこにも行けない感じを、同じ場面を視点を変えくりかえし描くことでひたすら掘り下げていくもうやめて型ド直球「青春映画」。あくまで「青春小説」である原作を元に、ここまで深みのある話にしたのはすごい。

なにせメディアはどこにも行けない感じ、をまともに描くことをすごく避けるきらいがあって、NHKさんの「六番目の小夜子」なんて隠れた名作とか言われてるけど高校三年生を中学二年生に変えてしまったりもうほんとわかってないのよね的な思考回路丸出しで辟易していてもうちゃんとそういうの描いたのって「ブギーポップ ファントム」くらいじゃないですか?という感覚も今は昔。「告白」とか「鈴木先生」とかこの作品とか、とがった作品がでてきて嬉しい感じです(本当はそんなとがってるわけじゃないのだけど)。もっと率直に言うとジャニーズに縛られずに作れるようになっていい感じです。

ふだん舞台でお芝居をやっている人がかいた(喜安浩平さん)脚本なだけあって、俳優の演技で話を進めていく姿勢などほんと泣きそうになるくらいうれしくて、クライマックスの反乱シーンなんて涙こらえるのに必死でした。

決してわかりやすい映画ではなく、解釈も多くあってモヤモヤする映画なのですが、ぜひリアルタイムで観ていただいてほかのひとに自慢していただきたい作品です。