上遠野浩平「恥知らずのパープルヘイズ」

恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―

恥知らずのパープルヘイズ ―ジョジョの奇妙な冒険より―

ジョジョは「きみの考えたスタンドが漫画に登場」ってやつがないわけで、スタンドを世にくりだすためには荒木飛呂彦になるしかなかったわけですが、今の時代すごいね、スタンドをイロイコ先生が絵にしてくれるわけですよ、夢か。ていうかこれ、普通に5部の続きじゃないですか!すげーな、続編書かせてもらえて、オリジナルキャラ出して本編とのリンクもしっかりつくって荒木先生まだ生きてるのにこれ以上ないくらいジョジョさせてもらっててこんなにうらやましいことはない・・・

一番すごいと思ったのはスタンドが出現してくる描写。「相手の姿が陽炎のようにぶれ、そのぶれだけがこちらに向かってくる」という一文を読んだとき震えました。そうか、そうだよなースタンドって。小説家すごいわ。むかし活字倶楽部のインタビューで上遠野自身が島本和彦スカルマンを指して「イタコ状態」と表現してたけどまさにそれで、地の文含めてジョジョそのもの、いやーブギーポップってジョジョだったんですね、なにを当たり前のことを。