「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

LOVE8002012-02-20

観ました。

大傑作。あと2時間長くてもいいし、あと30回観てもいい。

9.11が題材ということもあって、世間では言葉を選んでる感想が多い、というかネットでは結構さめ気味?なムードが漂っていますが、すごく良い映画です。静かな中に特に子役への演出がすばらしく、記憶を何でも数字で把握していたり、今までついた嘘をぜんぶ数えているといった神経症的な造詣と、溜め込んでいた秘密や間借り人に向かって洪水のように吐き出すシーンの対比が非常に効果的に使われていて。地下鉄にガスマスク着けて乗ったり、テコンドーしながら矛盾合戦するところは、あえてこの言葉を使わせてもらえば、最高にチャーミングです。

「ブラック」というファミリーネームのみを頼りに、綿密なリサーチのもと主人公がいろいろな人と出会う(ここもっと色々見たかった!けど、ばっさりカットしてこれだけの情報量を伝えられるのはすごい)。そのひとつひとつの出会いが最後大どん返しを導き、公園のブランコ、お母さんとの会話、間借り人とおばあちゃんのシーン、という怒涛のカタルシス大連発に繋がる。ここで起こる奇跡の数々に入り込めるか、「こういうのを見てニューヨーク市民はどう思うのだろう」と考えてしまうかで、この映画への評価が変わってくるかもしれません。俺ですか?号泣メーーン!