米澤穂信「秋期限定栗きんとん事件」

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

むーん、小市民シリーズぜんぶ読んじゃった。

誰も読みたくないようなテーマをわざわざ選んだ上でわざわざ読みやすく丁寧に書き上げ、それを商品にしてしまうのが米澤穂信の心臓の強いところだと思うのですが、今回はそういった要素がさらに加速した感じが。「ボトルネック」みたいに直接的なインパクトがないぶん、ボディーブローみたいにじわじわ効いてくる威力があります。

瓜野くんだの仲丸さんだの放火犯だのわかりやすすぎる登場人物がうろちょろすることで、小鳩くんと小佐内さんの拗ねっぷりがより引き立ちます。今回瓜野くんが経験した挫折に代わる何かが、次回ふたりの身にふりかかったりするのか?しないのか?春期限定のときとはテンションもぜんぜん違う作品になってますが、最終巻で彼らがどう転ぶのか、今から楽しみです。

インシテミル」、映画になるみたいですねー。

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)