「ミッドナイト・イン・パリ」

LOVE8002012-05-28


観ました。面白かったー。

文学オタクの主人公が、婚約者と訪れたパリで遭遇するあれやこれや。彼女はベルサイユ宮殿とか観たいのに、男はというと「ジョイスがサワークラウトを食べたカフェに行こう!」とか言い出したり、「雨の中をあるくのがオシャレなんだ」と主張したりと、すげー気持ちはわかるのだけど、オタ丸出し発言の連続で関係に亀裂入りまくり。それにしても、このふたりよく付き合えたな。

主人公のパリ愛がありすぎて、しまいにはタイムスリップしてしまう。フィッツジェラルド夫妻、ヘミングウェイピカソ、ダリ、ルイス・ブニュエルといった超有名人が次々と出てきて「よう!」って挨拶してくるので、観てるだけでテンション上がってきます。芸術史にすごく詳しい人にとっては「ただ出てきてるだけやんけ」と突っ込まれるような浅い描き方ではあるけれど、こういったキャラ付けも主人公のミーハーっぷりを表しているようで、これはこれでいいと思う。

シュルレアリストたちはおおむねギャグ要員で、二人の女性を愛してしまった主人公に対しダリが「それは自然なことだ」と返答する姿には、(そりゃお前らはそうだけどさ!)と突っ込まずにはいられまへん。いたずら心でルイス・ブニュエルに「皆殺しの天使」のアイデアを教えるシーンで、「で、だからなんで誰も家から出られないんだよ?」と繰り返し尋ねられるところなんかうっかり笑ってしまった。

作中にこめられた、「都合のいいときだけ「昔はよかった」ばっかり言ってんじゃねーよ!」というメッセージにも共感したけれど、「やっぱ、趣味を理解してくれないと結婚とか無理だよね」という部分もとても大事だと思いましたですよ。