第三舞台「深呼吸する惑星」

「未来がわからないってワクワクするよ


第三舞台「深呼吸する惑星」観る。

ほとんどの日本人がそうであるように、わたくしも第三舞台の解散公演のチケットは取ることができず、地元マイカルにてライブビューイング鑑賞することとなった。

死んだ人のブログはどうなるのか。これからの未来に永遠に残っていくのか。それはいいことなのか、悪いことなのか。未来に対する漠然とした不安が、SF調のストーリーを通して語られる。筧利夫小須田康人長野里美ら、第三舞台の「劇団員」たちが、まるで時が止まっていたかのように、昔のままのパワーで演じてくれる。

もう面白いかどうかじゃなくて、第三舞台の芝居がみられる、そしてみられなくなるということに意味があり、価値がある。役者としてはもはや歴史上の人物である伊藤正宏が出てきた(VTRだけど)ときは我が目を疑ったし、やたらめったら昔のネタを繰り返して笑いをとる感じも、なんだかなあと思いつつも、ちゃんとわかる自分に満足しちゃったりして。それが映像や、戯曲を通じてしか知らないものであっても。

ここには心躍るストーリーやパフォーマンスもなければ、尊大な主義主張も存在しない。あるのは、昔を懐かしむ心と、サービス精神だけだ。全国からスクリーン越しに拍手を浴びることができるなんて(普段は閑古鳥の地元マイカルがほぼ満席)なんと幸せな劇団であろうか。それにしても長野里美やっぱきれいだよなあ。

今回のテーマソングは「ずっと好きだった」と「恋する凡人」。スピッツを大音量で流しながらのあのうそ臭い剣戟シーンには、胸が熱くなった。もちろん、エンドロールの「第三舞台 岩谷真哉」の文字にも。